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直木賞受賞作『テスカトリポカ』圧倒的スケールと衝撃の小説

 

 

 

簡単に言うと、本作は「メキシコの麻薬密売人が日本でとあるビジネスを始める物語」。
彼は今もなおアステカ王国の神を崇拝し、何よりもファミリア(家族)を大切にしています。だからこそ、ファミリアの裏切り者や邪魔者が現れると、容赦なく“神への生贄”としてその心臓を捧げるのです。

 

この儀式の描写がとにかくグロテスク!
しかも次々と人が死に、その死に方も毎回凄惨…。読み進めるうちにグロさに慣れてきますが、苦手な人は要注意です。

 

物語は多くの人物の視点から語られるため、序盤は「誰と誰がどう繋がるのか?」と気になってページをめくる手が止まりません。中盤から終盤にかけては怒涛の展開で、一気読みしてしまいました。超大作にもかかわらず、夢中で読了してしまうほどの力があります。

 

また、日本だけでなくメキシコやインドネシアも舞台になっており、それぞれの国の雰囲気を断片的ながら感じられるのも魅力でした。

 

一番衝撃だったのはアステカ帝国の儀式。名前しか知らなかった文明で、当時は人間の心臓を捧げるような凄惨な儀式が日常的に行われていたという事実に、強い衝撃を受けました。


そしてメキシコの麻薬戦争。どこまでが事実かは分かりませんが、そうした現実があること自体を深く考えさせられました。

 

さらに本作で描かれる「ビジネス」についても、実際に存在するのかどうか知りたくなります。

 

“何かを信じることの怖さ”、“当たり前に潜む恐怖”、“人間の汚さ”。
そういったテーマを通じて、現代を生きる私たちに鋭い問いを突きつける作品でした。

 

巻末に記された参考文献の多さからも、著者が膨大な取材と勉強を重ねて描き切ったことが伝わります。直木賞受賞も納得の一冊でした。

 

でももう一度読み返したいかと聞かれると・・・またあのグロさを味わうのはちょっとしんどいかな・・・という感じです(笑)