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騙されない人いますか?『方舟』夕木春央

 

 

単行本が発売された時からXで話題になっていた『方舟』。

文庫本になったら買おうと思いながら待ち続け、(本棚がいっぱいなのでできるだけ文庫本で買ってます)ようやく読めました!

 

どんでん返しがすごいとは聞いていたので、一字一句読み落とさないように慎重に読み進めました。どんなどんでん返しが来るのかも常に想像しながら。登場人物全員を疑いながら読み進めました。頭をフル回転させながら読んでいたので、寝る前に読むと眠れなくなりました。笑

 

内容について触れてしまうとこれから読む人は楽しめなくなると思いますので、詳しくは書きませんが…

 

騙されました。まんまと。そういうどんでん返し!?と鳥肌がたちました。

これに騙されない人はいないんじゃないでしょうか。もし騙されなかった人がいたら教えてほしいです。

 

今まで数多くのミステリーを読んできました。どんでん返しものもたくさん読んできました。最近は読み慣れすぎたのか、なんとなくオチがわかってきたりして物足りなかった…

でも、本作はそんな私でも心から楽しめました!

もう一回記憶を消して読みたい!

超おすすめです。

 

読んだことがある方、ぜひコメントください🎵 

 

 

『非色』有吉佐和子ーー差別は遠い昔の話だと思っていた

 

 

あらすじ

終戦直後、「クロンボ」と呼ばれる黒人と結婚した笑子。娘のメアリイが生まれ、日本での黒人差別から逃げるようにニューヨークに渡るが、待っていたのは貧民街ハアレムでの半地下生活だった……。

 

 

終戦直後の日本とアメリカにおける人種差別問題を描いた物語。
アメリカで黒人が奴隷として扱われ、ひどい差別を受けてきたことは、映画などを通してなんとなく知っていた。しかし、奴隷解放後、黒人の人々が実際にどのような扱いを受けていたのかについては、ほとんど知らなかった。

 

また、アメリカでは黒人だけでなく、プエルトリコ人、ユダヤ人、イタリア人など、さまざまな人種に対する差別が存在していたことも、この本を通して知った。
ユダヤ人については第二次世界大戦中の扱いを知っていたため、ある程度想像はできていたが、プエルトリコ人が黒人以上に酷い扱いを受けていたという描写には衝撃を受けた。さらに、イタリア人も決して良い目で見られていなかったという点にも驚かされた。

 

今でこそ「差別は良くないことだ」と教育されているが、当時は差別すること自体が当たり前だったのだと感じる。

 

現在、人種差別は昔よりは確かにマシになっているのかもしれない。内面でどう思っているかまではわからないが、少なくとも堂々と差別的な態度を取ることは少なくなっているだろう。
それでも、人は自分より下の存在を見つけることで、自分自身のプライドを保っている部分があるのではないかと思う。

 

私が住んでいる県では、同じ県民同士であっても、出身地域によって人を評価する人がいる。私自身、あまり評判の良くない地域の出身で、実際に何度もそうした態度を取られてきた。
中学校までは地元の学校に通っていたため、その地域での暮らしが当たり前だった。しかし、高校で少し評判の良い地域に通い始めると、「え!?あそこ出身なん!?じゃあ元ヤンなん!?」と言われ、強い衝撃を受けた。自分の住んでいる地域が、他の人からそんなふうに見られていたのだと初めて知った瞬間だった。

自意識過剰なのかもしれないが、大人になった今でも、ときどきそういった態度を取られることがある。だからこそ、子どもには同じ思いをさせたくないと思い、地元には絶対に住まないでおこうと決めている。

 

ここまで書くと、まるで私が一方的な被害者のようにも見える。しかし、振り返ってみると、決してそうではないことに気づく。
私の住んでいる地域以上にイメージが良くないとされている地域もあり、心のどこかで「あそこよりはマシ」と思ってしまっている自分がいる。

 

地域に限らず、学歴や経歴、年収など、さまざまな視点で他者と比較し、「自分はあの人よりマシだ」と無意識に思ってしまっているのではないだろうか。

 

この本を読むまで、私は自分が差別などしていないと思っていた。読み進める中盤までは、「昔はなんて酷い時代だったんだろう」と、どこか他人事のように感じていた。しかし、読み終えた頃には、自分自身が無意識に人と比べ、人を見下していることに気づき、恐ろしくなった。

 

"人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。"

本書のこの言葉が、強く心に刺さった。

人間はそうやって生きていくしかないのだろうか。本当の平等は叶わないのだろうか。
そんな問いを突きつけられる一冊だった。

 

日本だけでなく、世界中の人に読んでもらいたい!!!

 

 

 

M-1を観て(今さら感想)

2025年M-1、最高だったので感想を書きます!

お笑いに詳しいわけではないですが、M-1だけは小学生の時からずっと観続けてきました。年々参加人数が増えるにつれ、レベルも上がってきている気がします。特に今年は史上最多の11,521組が参加していたそう。

 

そんな激戦を勝ち抜いてきた10組。どのコンビも面白かったですが、個人的に”たくろう”がダントツで面白かった!!!2本とも大笑い。特に2本目のビバリーヒルズのネタは、お腹抱えて、息ができないくらい笑いました。こんなに笑ったのっていつぶりだろう!?

つかみの「元サイコパス」でもうツボって、全然アメリカに馴染めていない赤木さんの言動にツボって、「yahoo!で天気予報を見ているジョージだ」で笑い死ぬかと思いました…。

間の取り方も上手すぎるし、ワードセンスも良すぎるし、何もかもが最高すぎて、感動しました…。

観終わった後も、もう一度観たくなってすぐに録画を観る。2回目でも大爆笑。このネタをまだ知らない時の自分に戻って、もう一回観たい(笑)

 

こんな面白い漫才、観たことある!?ってくらい私は面白かったのですが、SNSとかyoutubeのコメントとか見ると、「全然面白くなかった」って書いている人がいて、驚きました。そう感じた人は、どういうものを面白いって思えるのかめっちゃ気になります…。感性は人それぞれですもんね。

 

お笑いって難しいですね。自分が「これは絶対に面白い!」と思って作ったネタでも、「面白くない」と思う人は必ずいるんですもんね。

お笑いに限らず、いろんなことにおいて言えることではあると思いますが…。

 

 

たくろうのおかげでなんだか元気をもらえました。家事で疲れてる時とか、ふとあの漫才を思い出して笑っている自分がいます(笑)

 

あと、漫才とは関係ないですが、M-1で優勝して、たった一夜で人生が変わるってどんな感じなんだろうって考えてしまいました。この日を境に人生が変わった!!!みたいな経験をまだしたことがないので、すごく気になるし、経験してみたいなって思いました。

 

たくろうの漫才、まだ観ていない方には是非観てもらいたいです!

 

あと、来年こそは真空ジェシカに優勝してもらいたい!M-1で初めてネタを見た時からあのシュールでちょっと難しいボケが好きです。

 

 

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎

 

 

読書法に関する本はこれまでたくさん読んできましたが、今まで手に取ってきたものは、どちらかと言うと速読・多読を推奨する内容がほとんどでした。
しかし本作は、「遅読(ちどく)」を勧める一冊。珍しいテーマだったことと、大好きな『マチネの終わりに』の作者である平野啓一郎さんの著作だったことから、手に取った一冊です。

 

序章で書かれていた
「本当の読書は、単に表面的な知識で人を飾り立てるのではなく、内面から人を変え、思慮深さと賢明さとをもたらし、人間性に深みを与えるものである。」
という一文が、特に心に刺さりました。

確かに、本をたくさん読めば読むほど知識は増え、なんとなく自分が賢くなったような気がして、満足感を覚えます。でも実際には、本で得た知識が頭に残るだけで、そのことについて自分自身で深く考え、自分なりの考えを持つところまで至っていなかったのではないか、と気づかされました。

 

この本では、ただ文字を追って読むのではなく、言葉一つひとつを丁寧に読み解き、その言葉に作者がどんな意図を込めているのかを考え、さらにそれについて自分自身の考えを持つことの大切さが語られています。
また、具体的にどのように読み解いていけばよいのかを、いくつかの例題を通して実践させてくれる構成も、とても良かったです。

 

例題の中で、夏目漱石の『こころ』だけは一度読んだことがありましたが、特に気に留めることなく読み流していた部分を、改めてじっくり読み解くことで、まったく違った印象を受けました。そして、最初からもう一度、『こころ』を丁寧に読み直してみたいと思うようになりました。

 

他にも、森鴎外の『高瀬舟』やカフカの『橋』など、題名は知っているものの難解そうで避けていた名作についても、この本を通して物語に触れることができ、面白さを実感できました。

 

これまでは、「人生は短いから、とにかくたくさんの本を読みたい」と、冊数ばかりを意識した読書をしてきました。しかしこれからは、一冊一冊とゆっくり向き合い、内容を理解するだけでなく、なぜこの本が書かれたのかという作者の意図まで読み取れるような、深い読書をしていきたいと思います。

この本と出会えて、本当によかったです。

 

貴重な一日『非色』『自由思考』を読む

熱が出た。

どうやら子供の風邪がうつったらしい…

熱はそこまで高くはないが、体が重く、喉がかなり痛い。

本好きの息子は、私の姿を見るたびに絵本を持ってくるが、声を出すと悪化しそうなので今日だけは一緒にページを捲るだけにした。めちゃくちゃ申し訳ない…

 

そんな私と息子のことを思って、旦那が休みを取ってくれ、家事や育児をこなしてくれた。本当にありがたい。

 

私は、少しでも早く治すため、極力声を出さず、体を動かさないように過ごすことにする。でも全く眠気はないため、眠気を誘うためにひたすらベッドで読書。

読みかけだった有吉佐和子さんの『非色』を読む。

 

 

眠気を誘うどころか、面白すぎて覚醒してしまい、気づいたら最後まで読み切ってしまっていた…。

 

次に読み始めたのは中村文則さんのエッセイ『自由思考』。

 

中村文則さんが書く暗く陰鬱な文章が大好きで小説はたくさん読んできたが、エッセイを読みのは初めて。

あんな暗い文章を書く人だから、エッセイはもっと暗いだろうし(失礼な思い込み)今度こそ眠くなるだろうと思い、読み始める。

 

…めちゃくちゃ面白い!気づいたら吹き出して笑っていた。

こんな面白い人だったの?と小説だけでは知れなかった中村さんの人柄を知り、ますます好きになった。

そして読む手が止まらない…。

 

結局、昼間は全く寝ることなく、ただひたすらに読書を楽しんでいました。

「体を休めるためだから、いいよね?」と何度も自問自答しながら…

 

普段なかなかまとまって読書時間を取れないので、とても貴重な時間を過ごすことができた。

旦那、息子、ありがとう。心身ともにリフレッシュできました。

明日からまた頑張ろう。

 

体がしんどいのは辛いし、家族には申し訳なく思うけど、こういう日がたまにはあってもいいな…。

 

 

齋藤孝『本には読む順番がある』

 

 

齋藤孝さんの本はとても読みやすく、気軽に手に取れるところが好きです。
隙間時間にもさっと読めるので、つい読んでしまいます。

 

序章では、本の選び方について書かれていました。

 

私が特に参考になったのは中盤です。
「哲学」「歴史」「科学」など、ジャンル別に、どんな順番でどの本を読めばよいのかが具体的に書かれていました。そのジャンルを勉強するときに、また読み返したいなと思いました。

 

また、ニーチェドストエフスキー夏目漱石など、有名な作家別にもおすすめの読む順番が紹介されていて、とても参考になりました。

 

最終章では、本の読み方やアウトプットの仕方についても触れられています。
こちらも、「これは真似してみたいな」と思うことがいくつかありました。

 

本に直接、自分の意見や考えを書き込む方法は、いろいろな読書法の本でもよく紹介されていますよね。
書き込むことで考えが深まったり、あとから読み返すときにもいいのだろうな、とは思うのですが……。

大切な本に書き込むのは、やっぱり少し勇気がいります。
人に貸すときに見られるのも恥ずかしいなと思ってしまったりして、今のところ私にできるのは、付箋を貼るくらいです。

 

みなさんは、本に書き込みや線引きをしていますか?
どんなふうに本を読んでいるのか、ほかの人の読書の仕方も知ってみたいです!

 

 

小川洋子『ことり』再読。静けさの中で心揺さぶられる物語

 

 

大好きな小川洋子さん。『ことり』は再読です。

 

「小鳥の小父さん」と呼ばれるある男性の一生を描いた、切なくて儚い物語。
始まりは、小父さんが鳥籠を抱えながら自宅で横たわって亡くなっているところを発見される場面から始まります。

 

幼少期から中年までの小父さんとお兄さんの、独特だけど穏やかで温かい暮らし。
小父さんの恋愛や、小鳥との関わり。
小父さんの人生に登場する、ほんの少しの人たちとの出来事が、小川洋子さんらしい静謐で美しい文章で描かれています。

 

温かい気持ちになれる場面もあれば、切なく、泣ける場面も。

「どうか小父さんをそっとしておいてほしい」「小父さんらしい静かな暮らしを邪魔しないでほしい」「小父さんに幸せに生きてほしい」そんなことを願いながら読んでいました。

 

何か大きな事件が起きるわけでもなく、ただ小鳥の小父さんの静かな人生を描いているだけなのに、とても心が揺さぶられます。

 

一語一句を大切に読みたくなるし、ずっと読んでいたくなる作品です。

また必ず読み返すと思います。